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厚生労働省の職業情報との比較から見るエムハンドのWebマーケティング業務
はじめに
こんにちは。エムハンドマーケティングディレクターの山本です。現在、弊社ではマーケティングディレクターの採用を強化しており、そのための情報を採用サイトやSNS、noteで発信しています。今回は基本に立ち返り、マーケティングディレクターの業務内容について改めて紹介する企画を立ち上げました。具体的にどのような業務を遂行するのか、求職中の方に理解してもらわなければ、その魅力や制度・仕組み、働きやすさなどをいくら訴求しようとしても効果は半減してしまうからです。そして、この課題に基づき考案したアプローチが、タイトルにある「厚生労働省の職業情報との比較から、エムハンドのマーケティングディレクターの業務を紹介していく」です。この課題を感じた背景とともに、マーケティングディレクターの業務内容を改めて紹介していきたいと思います。
目次
01.業務内容を改めて紹介しようと考えた背景
エムハンドのマーケティングディレクターの主な業務は集客や採用強化のための施策の考案・実施・効果検証を繰り返していくことです。Webサイトのような成果物ではなく、施策のプロセスを通じてクライアントに価値を提供しています。そのため、求職中の方にはこの施策のプロセスを伝える必要があるのですが、成果物がない分、業務内容が見えづらいという課題があります。加えて、Web制作会社のマーケティング部署という一般的な広告代理店や企業のPR部門とも異なる立ち位置にあるため、経験者でない限りは業務内容のイメージが難しいとも思います。そこで、一般的なWebマーケティング業務との比較という外部軸を設けることで、求職中の方にエムハンドのマーケティングディレクターの業務内容をイメージしてもらおうという結論に至りました。
02.厚生労働省の職業情報との比較から見るエムハンドのWebマーケティング業務
この記事においての一般的なWebマーケティングは、厚生労働省の職業情報提供サイト【job tag】の「Webマーケティング(ネット広告・販売促進)」項目内、タスク(職業に含まれるこまかな仕事)としました。独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究開発成果物「職業情報データベース」の情報がベースで、一定数以上の就業者の回答に基づいて作成されているため、多数の観点による普遍的なイメージに近しいものとして、一般的なWebマーケティング業務と定義しました。
job tagにおいてのWebマーケティング業務内容
2025年4月現在において、タスク(職業に含まれるこまかな仕事)で紹介されている業務内容は実施順で以下の通りです。
- ➊ クライアントの説明から、マーケティング対象のコンセプト、内容、PRポイント等について把握する。
- ➋ 社会や業界のトレンド、利用者のニーズについて、テレビや新聞、専門誌、ネットメディア等から広く情報を収集する。
- ➌ 社会のトレンドや利用者のニーズ、行動傾向等を把握するため、SNSの情報などWeb上のビッグデータを分析する。
- ➍ クライアントに対して、効果的なWebマーケティングの手法、内容、配信先等について提案を行う。
- ➎ 仕様、予算、スケジュール等について、社内及びクライアントとの間で意見を調整する。
- ➏ 具体的なコンテンツ(テキスト、イメージ、ムービー、Webサイト等)を自分で作成する。
- ➐ 具体的なコンテンツ(テキスト、イメージ、ムービー、Webサイト等)の作成を、社内の制作部門や外部の制作会社等に依頼する。
- ➑ 制作中のWeb広告やWebサイトの品質を管理し、必要に応じて自分で修正したり、制作者にリテイクを依頼する。
- ➒ Web広告の場合、完成したコンテンツの配信登録を行う。
- ➓ 企画したコンテンツをSNSで告知する。
- ⓫ 配信中、もしくは配信が終了したWeb広告について、効果を把握するためにデータや配信状況の集計、分析を行う。
- ⓬ Webサイトの場合、SEO(検索エンジン最適化)を行う。
- ⓭ アクセス解析の結果に基づき、Webマーケティングの手法、内容、配信先等について改善策を考える。
- ⓮ Webマーケティングの効果の検証や、改善策の提案のためのレポートを作成する。
- ⓯ リピーター獲得のために、メールマガジンの記事を作成し、配信する。
- ⓰ 他社とのコラボレーションを企画する。
※出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト)
以上の16項目の業務と、エムハンドのマーケティングディレクターの業務との共通点、相違点を紹介していきます。
➊ クライアントの説明から、マーケティング対象のコンセプト、内容、PRポイント等について把握する。
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・共通点|把握する内容
弊社においても、マーケティング対象のコンセプト、内容、PRポイント等について把握する業務は発生します。
・相違点|クライアントから説明を聞く頻度
クライアントの説明を直接聞く機会は比較的少ないように思います。多くはWebサイト制作後の運用としてマーケティング施策を実行します。Webサイト制作前にクリエイティブディレクターがクライアントにコンセプトや内容、PRポイントをヒアリングしているため、この情報をもとにマーケティングディレクターが把握することが多いです。情報が不足していたり、マーケティング施策の実行後にサイト制作へと発展する場合はマーケティングディレクターが直接クライアントにヒアリングします。
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➋ 社会や業界のトレンド、利用者のニーズについて、テレビや新聞、専門誌、ネットメディア等から広く情報を収集する。
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・共通点|情報収集する内容
弊社においても、社会や業界のトレンド、利用者のニーズについての情報を収集する業務が発生します。
・相違点|情報の収集元
情報の収集元がやや異なります。検索エンジンの語句から、どういった情報をユーザーはWebで求めているのか(=利用者のニーズ)を推測する手法が多いです。この場合はGoogle広告のキーワードプランナーやサジェストキーワードの調査ツールなどを用います。テレビや新聞、専門誌、ネットメディア等を通じた情報収集も当然実施しますが、これは業務の一環としてではなく、普段の生活の中で得ていくため、チームメンバー個人のアンテナに依存します。ただし、これらの情報はチーム会議などで共有される機会もあります。また、近年ではクライアントに利用者アンケートを実施していただき、ニーズを取得することもあります。
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➌ 社会のトレンドや利用者のニーズ、行動傾向等を把握するため、SNSの情報などWeb上のビッグデータを分析する。
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・共通点|把握する内容
弊社においても、社会のトレンドや利用者のニーズ、行動傾向等を把握するために、Web上のビッグデータを分析します。
・相違点|情報の収集元
情報の収集元が異なります。➋で紹介したキーワードプランナーやサジェストキーワードの調査ツールなどを用いて分析することが多いです。Webでのユーザーの行動傾向を分析するツールの導入はしていないため、たとえばSNSの情報は普段生活する中で得ています。また、前項で紹介した利用者アンケートによって利用者の行動傾向も予測することがあります。
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➍ クライアントに対して、効果的なWebマーケティングの手法、内容、配信先等について提案を行う。
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・相違点|なし
弊社においても、クライアントに対しての効果的なWebマーケティングの手法、内容、配信先等についての提案を行います。この業務に関しては特に相違点はありません。
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➎ 仕様、予算、スケジュール等について、社内及びクライアントとの間で意見を調整する。
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・相違点|なし
弊社においても、仕様、予算、スケジュール等について、社内及びクライアントとの間で意見を調整します。特に予算、スケジュールに関しては、Webサイト制作のスケジュールや予算との兼ね合いもあるため、社内のクリエイティブディレクターとの調整が多いと思います。➍同様に相違点はありません。
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➏ 具体的なコンテンツ(テキスト、イメージ、ムービー、Webサイト等)を自分で作成する。
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・共通点|テキスト作成の作成者
弊社においても、テキストはマーケティングディレクター自身で作成することが多いです。
・相違点|テキスト以外の作成者
イメージはマーケティングディレクターがディレクションをして、社内のデザイナーが制作します。Webサイトは案件によってマーケティングディレクターまたはクリエイティブディレクターがディレクションをして、社内のデザイナー、エンジニアが制作します。ムービーは制作する内容によって、社内のデザイナーに依頼したり、外部の制作パートナーに依頼したりします。
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➐ 具体的なコンテンツ(テキスト、イメージ、ムービー、Webサイト等)の作成を、社内の制作部門や外部の制作会社等に依頼する。
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前項➏の通りです。
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➑ 制作中のWeb広告やWebサイトの品質を管理し、必要に応じて自分で修正したり、制作者にリテイクを依頼する。
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・共通点|品質管理とリテイクの依頼
弊社においても、制作中のWeb広告やWebサイトの品質を管理し、必要に応じて社内の制作者にリテイク(修正)を依頼します。
・相違点|リテイクの担当者
Web広告やWebサイトを自分で修正することは基本的にはありません。
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➒ Web広告の場合、完成したコンテンツの配信登録を行う。
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・共通点|基本的にすべて
弊社においても、完成したWeb広告コンテンツの配信登録を行います。
・相違点|取り扱うWeb広告の範囲
配信の管理運用が外部委託となるWeb広告(DSP広告など)を取り扱うこともあります。この場合、マーケティングディレクターは配信登録を行わず、広告の入稿までを担当します。
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➓ 企画したコンテンツをSNSで告知する。
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・共通点|基本的にすべて
弊社においても、企画したコンテンツをSNSで告知します。
・相違点|発生頻度
すべての案件でSNS運用を請け負っているわけではないため、チームメンバーによってはこの業務が発生しないこともあります。クライアントのサービス内容や予算、社内体制などを加味して、SNS運用をご依頼いただくべきか否かを判断し、提案するのもマーケティングディレクターの仕事です。
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⓫ 配信中、もしくは配信が終了したWeb広告について、効果を把握するためにデータや配信状況の集計、分析を行う。
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・共通点|すべて
弊社においても、Web広告のデータや配信状況の集計、分析を行います。これらの結果は基本的に月次でレポートにまとめています。この業務に関しての相違点はありません
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⓬ Webサイトの場合、SEO(検索エンジン最適化)を行う。
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・共通点|基本的にすべて
弊社においても、WebサイトのSEO対策はマーケティングディレクターが行います。
・相違点|発生頻度
SNS運用同様に、すべての案件でSEO対策を請け負っているわけではないため、チームメンバーによってはこの業務が発生しないこともあります。エムハンドでは制作時の基本要件としてSEO内部対策が含まれており、エンジニアの対応領域のため、基本的にマーケティングディレクターは担当しません。この基本要件以上のSEO対策が必要だとマーケティングディレクターが判断した場合にはクライアントに提案し、実施します。
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https://www.m-hand.co.jp/tokyo/service/seo/
⓭ アクセス解析の結果に基づき、Webマーケティングの手法、内容、配信先等について改善策を考える。
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・共通点|すべて
アクセス解析の実施と、その結果に基づいた改善策の考案はマーケティングディレクターが行います。この業務に関しての相違点はありません。
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⓮ Webマーケティングの効果の検証や、改善策の提案のためのレポートを作成する。
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・共通点|すべて
社内で作成したテンプレートに基づき、レポートを作成しています。基本的には月次が多いです。この業務に関しての相違点はありません。
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⓯ リピーター獲得のために、メールマガジンの記事を作成し、配信する。
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・相違点|クライアント業務として発生していない
エムハンド集客施策として、リピーター・新規獲得のためにメールマガジンの記事を作成し、配信をマーケティングディレクターが担当しているものの、2025年4月現在でクライアント業務としては発生していません。クライアントの顧客情報に関わるためすべてを請け負う可能性は低いですが、記事作成など部分的な業務を今後請け負う可能性は大いにあると思います。
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⓰ 他社とのコラボレーションを企画する。
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・相違点|サービスとして提供していない
2025年4月現在、クライアント向けに他社とのコラボレーションを企画するサービスはありません。クライアントのサービス内容や予算などを加味し、今後この施策を提案する可能性はあると思います。
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03.job tag未掲載で、エムハンドで多く発生するWebマーケティング業務
➊ 採用に関するWebマーケティング業務
「利用者(=特定のサービスの利用者)」という言葉が多く使われていたことから、job tagにおけるWebマーケティング業務は、特定のサービスのWeb集客を指していると思われます。近年は集客だけではなくWeb採用市場も激化しており、採用サイト制作とセットで採用強化を目的としたWebマーケティングのサポートをご依頼いただく機会が増えました。エムハンドのマーケティングディレクターは、集客に加えて採用強化を目的としたWebマーケティング業務も多いです。
https://www.m-hand.co.jp/recruitment/service/consulting/
➋ 社内外のWebマーケティングに関するサポート対応をする
社内外からの質問対応は非常に多いです。Webサイト制作時においては、社内の制作部門にWebマーケティング観点でのアドバイスをします。また、Webサイト制作をエムハンドが担当し、以降の運用はクライアント社内の専門部署が担当するケースも多々あります。この場合、クライアント側での解決が難しいWebマーケティングに関する質問や課題に対して、マーケティングディレクターが回答したり、サポートをしたりすることもあります。
➌ CV率向上のためのWebサイトの改修内容を考案する
job tagにおけるWebマーケティング業務は、主にWebサイトへの誘導施策(Web広告、SNS、メールマガジンなど)の考案・実施・効果検証を指しているように感じました。エムハンドのマーケティングディレクターは、誘導した後の、Webサイト内での問い合わせや応募に至るまでのユーザーの行動についても分析し、CV率向上のための改修内容を考案してクライアントに提案します。了承を得られれば、社内の制作部門に対応を依頼します。
まとめ
エムハンドのマーケティングディレクターが実際に遂行している業務と、job tagに掲載されているWebマーケティング業務には大きな差異はありません。ただし、以下の点は異なります。
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・社内制作部門との連携が多い
・集客だけではなく、採用のWebマーケティング業務が発生する
・社内外に対するWebマーケティングサポート業務が発生する
・Webサイトの改修業務が発生する
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これらは、Webサイト制作と地続きのWebマーケティング業務として定義できます。基本的にエムハンドではWebサイト制作とセットでWebマーケティングサービスを請け負うからです。「エムハンドで制作したWebサイトを、エムハンドやクライアントとともに運用していく」ことがエムハンドのマーケティングディレクター業務の特徴・個性のひとつだと思います。本記事を読んで、マーケティングディレクターに少しでも興味関心を抱いた方は、ぜひ他のコンテンツも読んでみてください。
https://recruit.m-hand.co.jp/job/
https://recruit.m-hand.co.jp/people/people01/
https://www.m-hand.co.jp/blog/marketing/interview-marketing-director-challenge/