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オウンドメディアで注目の6サイトに学ぶ!―特徴と5つの共通点―
最近話題の「オウンドメディア」。これから、サイトをメディア化したいというニーズの増加に備えて、「まずは自社サイトのメディア化を成功させたい!」というWeb制作会社の方は多いのではないでしょうか。
今回はWeb関連サービスを提供する企業のサイトをまとめてみました。もちろんオウンドメディアサイト全般にいえることもたくさんあるかと思いますので、これから自社サイトをメディア化したい方や、ブログの運営に行き詰まっている方の参考になれば幸いです。
使用した分析ツール
「SimilarWeb」
今回、各サイトの傾向をつかむために「SimilarWeb」を使用しました。
SimilarWebはサイトURLを入力するだけで、そのサイトの訪問者数やPV数、アクセスの多い検索キーワード等が分かる競合サイト分析ツールです。もちろん、データの正確性は完全とは言えませんが、そのサイトの傾向をつかむためのデータとしては、十分なものを提供してくれます。
注目のサイト
・LIG BLOG
Web制作会社、株式会社LIG(リグ)が運営するメディアブログ。
Web制作からライフスタイル、おもしろ記事まで1日3~4記事を発信する、言わずと知れたオウンドメディア化に最も成功しているサイトの1つです。
・セッション数:400万セッション/月
・セッションあたりPV:2.39/月
・総PV数:約956万PV/月
(データは2014月10月のもの。以下5サイトも同様)
公式のPV数セッション数(http://liginc.co.jp/news/analysis/130579)
・PV数(アクセス数):3,406,774/月
・UU数:約1,535,337/月
・セッションあたりPV:1.58
公式データとSimilarWebでは数値に誤差がありますが、それでも圧倒的な訪問者数ですね。まだまだ訪問者が増加傾向にあるということには驚かされます。
おもしろい記事をバズらせる(SNS等で話題にさせる)ことで、ブログを知ってもらうきっかけとし、厚みのあるコンテンツと頻度の高い更新でファンを固定化させています。おもしろい記事が知名度のアップに一役買っていることは確かですが、そこから仕事の依頼につなげることができているのは、やはり制作会社としての実績や、制作に関する記事がしっかりしているからでしょう。
バズらせる記事づくりやブログの運営方法等、見習うべきところがたくさんあります。
・Liskul
リスティング広告を中心としたネット広告代理店ソウルドアウト株式会社が運営しているブログ。リスティングについての記事を中心に、Web制作、Webマーケティング等の記事が週2~3の頻度で投稿されています。
・セッション数:92万セッション
・セッションあたりPV:1.50
・総PV数;約138万PV
【※9月データ】公式のPV数セッション数(http://liskul.com/wm_ctsmk-5386)
・セッション数:281,112/月
・セッションあたりPV:1.22
・総PV数:342,122
最初の記事投稿が2013年12月27日になっています。現在が2014年の11月なので、1年にも満たない期間で、月間140万近いPVが達成できることを示しています。
投稿記事はリスティングを中心としたWebマーケティングに関するものから、実践的なPhotoshopのテクニックについてまとめたものまで多岐にわたり、Web制作の関係者から、企業のWeb担当者まで、幅広い読者を獲得し得るコンテンツとなっています。
・ガイアックス/INBOUND marketing blog
BtoB専門のWeb制作・インバウンドマーケティングを支援する、株式会社ガイアックスのサイト内1コンテンツという位置付けのブログ。
・セッション数:11万セッション
・セッションあたりPV:2.32
・総PV数;約25.2万PV
企業のサービス主軸である「インバウンドマーケティング」カテゴリを中心に「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「アクセス解析」等、ユーザーの目的別にカテゴリが分けられていることが特徴です。
「インタビュー」というカテゴリがあり、注目の企業や自社のオウンドメディア編集長へのインタビュー記事があります。ツールの紹介や、ノウハウ系の記事は多くの他サイトの記事と被ってしまいますが、インタビュー記事は必ずオリジナリティのある記事になるので、他サイトとの差別化を図ることが可能です。
・SEO HACKS 公式ブログ
Webコンサル・インターネットメディアの会社、ヴォラーレ株式会社のSEOサービスを紹介するサイトの1コンテンツ。
・セッション数:49万セッション
・セッションあたりPV:1.49
・総PV数;約73万PV
企業のSEO事業のみを紹介するサイトのブログとしては、非常に高いセッション数、PV数という印象です。
「SEO HACKS」がヴォラーレ株式会社のSEO事業を紹介するサイトなので、もちろんブログの記事もSEOやアクセスに関するものがほとんど。遡って記事数を確認したところ、70近い記事の投稿がありました。1つのテーマでここまで多くの投稿をするのは中々大変だと思います。
サイトの主軸となる内容のみでも、質の高い投稿を堅実に行えば、PV数を伸ばすことが可能だという成功事例といえるのではないでしょうか。
・バズ部
WEBマーケティングの会社、株式会社ルーシーが運営する、マーケティング全般の情報ブログ。
・セッション数:60万セッション
・セッションあたりPV:2.14
・総PV数;約128.4万PV
運営会社ルーシーの公式サイトはシンプルなランディングページで構成されており、企業情報の掲載は「バズ部」を主体としているようです。
ここで注目したいのが、Facebookの「いいね!」数です。バズ部のFacebookページは24,000以上の「いいね!」を集めています。初めに紹介した、月に400万のセッション数を誇るLIGの「いいね!」数が29,000弱ということを考えると、非常に高い数値であることが分かります。
SNS等で読者を獲得し、メディアブログを軸とした会社の運営に成功した事例といえます。
・Ferettまとめニュース
株式会社ベーシックが運営する、Webマーケティングの情報サイト「Ferett」の毎日これだけは読んでおくべき!というニュースをFerret編集部がまとめて配信しているブログ。
・セッション数:91万セッション
・セッションあたりPV:4.87
・総PV数;約443.万PV
Ferettまとめニュースで注目したいのが、セッションあたりのPV数です。
非常に高い回遊率であることが分かります。また、Directなアクセスが多く、訪問者数も増加傾向にあるようです。HP運営のノウハウやニュース等を無料で提供するサービスで会員を増やし、固定の読者を獲得していることが、直帰率の低さや直接のアクセスが多い要因と考えられます。また、記事の下に関連事例や関連記事、セミナー情報等を大きく取り上げるという工夫も、回遊率を上げるのに一役買っているのではないでしょうか。
共通点まとめ
①頻繁に記事が投稿されている
「オウンドメディアに王道なし」とはまさにこのことですね。多くのPVを獲得しているブログでは必ず頻繁に記事の投稿が行われています。もちろん、質の高い記事が積み上がってこそのPV数、セッション数ですので、各サイトの並々ならぬ努力の成果と言えます。
②サイドやヘッダーに各種SNSのフォローができるコンテンツがある
全ページに表示される、サイドナビやヘッダー等の目立つ場所にワンクリックでFacebookやTwitterのフォローができるボタンがついています。初めてサイトを訪れたユーザーが、少しでも記事やサイトをいいなと思った瞬間、すぐにフォローできるよう環境が整っています。
③記事にSNSのフォロー数が載っている
それぞれの記事に「いいね!」や「お気に入り」の数が目に見える形で表示されています。記事の人気が客観的に分かるため、ユーザーは人気の記事を探しやすく、また、記事の信憑性を保証するものであるといえるのではないでしょうか。
④最新の記事と人気の記事が分かるようになっている
新規ユーザーはどちらかというと人気の記事や、自分の探している情報を求めて特定の記事を読みますが、リピートユーザーは新着記事の方が気になるのではないでしょうか。
LIGやLiskulには「殿堂入り」というカテゴリがありました。手っ取り早く大勢に支持されている記事を見つけることができるため、ユーザーには便利なカテゴリですが、実際に「殿堂入り」といえる記事が複数なければカテゴリを作ることは難しいので、なかなかハードルは高そうです。
⑤記事を書いた人がわかる
記事に書いた人の顔写真や名前が表示されています。顔が出る以上、記事を書く人は不確かな情報は載せられません。それなりの覚悟を持って記事を書く必要があるので、ユーザーからしてみれば、記事を書いた人の顔がわかるといういうことは、記事の信頼につながります。
また、文章にはその人の人柄や知識が反映されるので、「この人と仕事がしたい」「この人に仕事をお願いしたい」と思わせることができるかもしれません。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
一口にメディアブログといっても、各サイト様々な工夫がされ、それぞれに特徴があることが分かります。PV数を伸ばしているサイトには、上記のように共通点もありますが、それぞれにオリジナリティがあるからこそ、固定の読者を獲得することが出来るのだと思います。
オウンドメディア成功への道は険しいですが、この記事が少しでも参考になれば幸いです。