抽象的な概念を、具現化する

抽象的な概念を、具現化する

取締役/アートディレクター

岩松 翔太Shota Iwamatsu

2018年入社

東京工芸大学芸術学部デザイン学科専攻。
2018年エムハンドに入社。コンサルティング部のマネージャー業務と兼任で、アートディレクターとして大手採用サイトなどを中心に担当。情報設計からビジュアルメイキングまで幅広い業務をこなし、アウトプットの品質向上に注力している。

introduction

激しい環境変化の中、中長期を見据えた次の成長のために「エムハンドは私だ」というスローガンを掲げることになった。「新しいスローガンに合わせた採用サイトを制作したい」という自社案件の依頼。ひと口に「採用サイト」といっても、ワークライフバランスをはじめとする働き手の視点と、生産性向上などの雇い手の視点がある。エムハンドの実態を可能な限り正確に把握し、真に求められる「採用サイト」の在り方、エムハンドの「今」に向き合い具現化された制作工程を紐解く。

一人ひとりの存在意義・目指す姿からエムハンドの「全体像」を映し出す

採用サイトの役割は、母集団形成の実現、テレワークの推進による採用拡大、社内統制と働き方改革、リカレント教育(社会人の学び直し)など、実にさまざまなテーマが含まれている。
制作会社においてはクオリティーの発信という重要な役割も担う。このテーマには必ず働き手、雇い手の視点が存在し、しばしば整理されないままサイトに掲載され、現場の実態と乖離している場合がみられる。「事実を正しく伝え、社会の実態に合わせたあるべき姿に具現化することがWebサイトに求められていることかもしれません。」
そのような課題意識を持ちながら、岩松はプロジェクトリーダーとして、社員のエムハンドにいる理由・存在意義を『言語化』する参加型のコンテンツ設計をおこない、エムハンドの全体像を映し出すことをコンセプトに設定した。
「ひとつひとつの『私』が浮かび、上がったり沈んだり、 膨らんだりしぼんだりしながら、出来るかぎり全体の生命力(エムハンド)を一人ひとりの『私』の中に映し出せるように、、抽象的な概念をロジカルに考えていきました。」

自分の限界をきめない プロフェッショナルとして結果を追い求める

自分の限界をきめない プロフェッショナルとして結果を追い求める

「インナーメッセージやコンセプトが固まったものの、自身のリソースにバッファーがまったくありませんでした(笑)。進行案件のプロジェクト全体のマネジメント、抱えるタスクの量からじっくり向き合うことも難しかった。余裕がない状態で『出来ます』と肯定していくことが私のスタンスで、ひとつひとつのアウトプットにこだわりぬいて『出来る』に変えてきたからこそ今があるとおもっています。
全ての案件でそうですが、クリエイティブにこだわり、Webサイトをアート(作品)に押し上げることがクライアントのビジネスを動かすと信じていますし、価値あるサイトにしなければならないという責任を全て背負うことがプロフェッショナルに必要なマインドです。
世の中の素晴らしいアートディレクター、価値あるサイトに追いつきたいというおもいが限界を設定しないという原動力になっています。属人的な仕事にならないように強要はしていないです(笑)。それでそんな状態の私にメンバーは優しい…。先にスケジュールを押さえたり案件仕様書を作成するなど、エムハンドにはチーム全体で案件に取り組む体制があり、いいものをつくるための部署の垣根を超えたスキームとルールがあることを改めて実感しました。同時にもう進めないといけない、、という自分がさらに追い込まれる状況になったわけです。」

自分の限界をきめない プロフェッショナルとして結果を追い求める

「ビジュアルメイキング、サイト設計をするときに意識していることは、直感にしたがってプロセスを毎回変えることです。新たな思考回路がつくられてアイデアが生まれやすくなります。ただぼんやりと考え続けることは重要で、準備された心がないと0を1にかえることは容易ではありません。雲のようにばらばらと点在する思考をぎゅっとかためて繋ぎ合わせていく作業になります。」
直感に従ってまとまった全体の設計。ただこの時点で膨大な作業量、実現に大きな労力を要することが分かった。それらを咀嚼し、より解像度をあげていくために、まずは職種を言葉で定義することから始まり、VI設計・MVアートワークの検証などキービジュアルの作成を同時並行。制作メンバーと意見交換・認識のすり合わせをおこない、TOPデザインが進んだ。
「制作が進行する中で意識することは、あえて余白を残し、シナジー効果により密度をたかめる(余白をうめる)プロセスを大切にすることです。そうすることで、コアにある課題と目指すべき価値がリンクする『重力 = 軸』のあるプロジェクトに育ち、思い描いていた完成イメージの外側を映し出す、みんなの作品になると考えています。あるべき姿を共に考える主体が育まれ、ユーザーインターフェースの領域・仕事の領域を広げることにもつながります。

中心にあるのは作品 チームで再現性を高める

個人の属人性、能力で再現性を保つのではなく、チームでクオリティーをたかめる仕組みをブラッシュアップして再現性を保つ。この仕組みをアップデートし続けることが大事で、組織が大きくなってもクオリティーが向上し続けることが可能になる。エムハンドは設立当初から、この課題に向き合い働き方改革の推進がされてきた。
「社内で共通化したプロセス、メソッドをシェアし、見えているものではなく思考をトレースして再現性を担保する。そのために最適なチームがあり、日常の判断や意思決定基準が明確化されることに繋がります。チームとしてのまとまりや意思決定のスピードを保ちながら、心理的安全性(メンタルな要素)を高め、一人ひとりがコスト意識を再認識し、当事者意識・起業家精神・経営視点をもつ人材がふえることが組織の強さにかわる。これらはエムハンドが大事にしているスタンスであり、プロジェクト成功のカギは『心理的安全性』『他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感』といったメンタルな要素が重要であると考えています。本プロジェクトはこれらの点が非常に上手くまわっていたと信じたいです、、制作を楽しめたからです。」
AFTERコロナの世界において、新たな潮流を生み出す『働き方改革』。DXの波により、Webコミュニケーションのイノベーションも加速することが予想され経済全体のトレンド変化にも結び付きうる。
「今後ビジネス・デザイン・テクノロジーの必要性・存在意義は高まるばかりです。結局ユーザー目線として、人間の課題として、自分事として上記をとらえて、具現化されないと価値がだせないのは明らかで、エムハンドにはその体制と可能性があります。今後もクライアントワークで蓄えたナレッジ、業界ごとのペインをもとに制作物の品質を高め、上流から末端まで本質的な価値創造に関わる『エムハンドだから出来る仕事』をどんどん増やして、市場にインパクトをだしていきたいです。同時に、人材が資本であり、いい人材が入るスパイラルになることがこのサイトに求められる結果だと考えています。」
クリエイティブに終わりはない、ただ納期がある。だからといって納得出来ないものを世に出せない。その姿勢が、次の仕事のあらたな概念に繋がる。それらの具現化への挑戦に終わりはない。

special 02

エムハンドは私だ。