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たった10分の「タイトル最適化」でオーガニック検索流入を増加させる方法

SEOを意識していると、最も気になるのが「検索順位」ではないでしょうか?「〇〇のキーワードで1位になりました!」という言葉がSEOの実績として謳われることからも、検索順位の人気ぶりがうかがえます。
しかしながら根本的なことを言うと、最も大切なのは検索順位ではなく、「クリック数(=サイトへの流入数)」です。極端ですが、検索順位が上位にいてもサイトへの流入数がゼロならば、順位が何位であれ、そこに価値はありません。

検索順位とクリック率は必ずしも一致しない

SEOに関して「検索順位が上位になればクリック率が高いので、検索流入も増加する」というイメージはないでしょうか?確かに検索上位にいればいるほど、検索ユーザーの目に留まる機会が増えるわけですから、このイメージは一見すると妥当に思えます。

でも実際のクリック状況でみると、そうとは言い切れなさそうです。例として、弊社で運営しているキュレーションメディア【SeleQt】で、検索10位以内に入っているクエリ(検索ワード)とクリック率の関係を調べてみました。

(n=150ワード)

もし「検索上位ほどクリック率が高い」が真実なら、全体として散布図にきれいな右肩下がりの傾向が見られるはずですが、少し乱雑な印象ですね。相関係数を出してみたところ「0.52」でした(値は最大1に近いほど相関関係が強く、0に近いほど相関関係は弱い)。「相関関係はあるけれど、そこまで関係性が強いわけでもない」といった結果でしょうか。

もちろん検索順位1-10位と11-20位のクリック率には雲泥の差があります。しかし検索順位が1位のクエリでもクリック率が20%を下回るものはありますし、検索順位が10位のクエリでもクリック率が40%近くまであるものもあります。

となると、SEOで検索流入が稼げる/稼げないの違いは検索順位とそれ以外の要因があることが考えられます。GoogleやYahooの検索結果画面を改めて眺めてみると、順位以外に掲載されている情報は、各サイトの「タイトルとディスクリプション」(サイトリンクもありますが)。となると、このタイトルやディスクリプションが検索流入に関与していると考えるのが自然です。

【実験】タイトル最適化でクリック率はどの程度変わるか?

そこで「タイトルを変更すればどのくらいクリック率は変動するのか?」という実験を行ってみました。検索ボリュームが比較的大きい20クエリをピックアップし、1か月ほど経過観察した結果が下表です(参考として検索順位の推移も付加しています)。

 結論から言うと、タイトルを変えるだけでもクリック率は結構変動します。上表の平均値では「8.3%」のクリック率の変動ですが、最大で35%以上クリック率が改善したクエリもありました。

仮に検索ボリュームが月間5,000ほどあるクエリなら、クリック率が8.3%改善すれば、415の検索流入が増加することになります。そうしたクエリが25ワードほどあれば、万単位で検索流入が増加することになります。

しかし注意しなければならないのは、クリック率は「上下」に動くということです。タイトルを最適化するつもりが、逆に検索意図と外れたタイトルにしてしまった「クエリ9」を見ると、クリック率が10%以上も低下し、検索順位も1位から転落しています。

そのためタイトル変更をする時は、変更前のタイトルのバックアップは必須でしょう。数パーセントの変動ならあくまで統計上の誤差の範囲の可能性もありますが、10%も悪化するようだと元のタイトルに戻すか、さらに別のタイトルに差し替えるのが賢明です。

ページタイトルを最適化するためのTips

タイトル変更にはクリック率を悪化させるリスクもありますが、実際に変えてみないことにはどう動くかはわかりません。そのためタイトルの最適化に慣れないうちは、「検索順位が高い割に、クリック率が5%未満」などの、マイナスに働いても影響が軽微で済むクエリから手をつけるのがよさそうです。

ただこうしたタイトル最適化を行う中で、いくつかコツのようなものがありましたので、Tipsとしてまとめておきます。

・タイトル最適化には「サーチコンソール」をフル活用

タイトル最適化にはサーチコンソールがかなり使えます。「サーチコンソール<検索トラフィック<検索アナリティクス」画面を開き、「クリック数、表示回数、CTR(クリック率)、掲載順位」にすべてチェックを入れます。

また下部のクエリ一覧を「表示回数」順に並べ替えると、「表示回数は多く、検索順位も10位以内だが、クリック率が低い」クエリを見つけるのに便利です。クエリの横にあるボックス状の矢印ボタンをクリックすると、そのクエリでの検索結果画面が開きます。

競合する他サイトのタイトルを見ながら、新しいタイトルの攻め方を考えていきましょう。また上位サイトのタイトルを眺めることで、そのクエリの検索意図が掴みやすくなります。

・タイトルには検索クエリを含める

ごくごく基本的なことですが、特に記事の場合だと「この記事ってこんなクエリで引っかかってるんだ」という後追いの発見が結構あります。それだけGoogleのコンテンツを判断する技術が向上しているということかもしれませんが、なるべくタイトルの前半部に検索クエリを入れることで、クリック率が改善する傾向が強く見られました。

・タイトルは32~35文字しか表示されない

検索ユーザーに表示されるタイトルの文字数は32~35文字程度までです。それを超えるものは途中で見切れるか、Googleが自動でタイトルを短縮して検索結果画面に掲載されます。

仮に「京都 カフェ おすすめ」というキーワードに対して、「【保存版】見逃し厳禁!京都観光に来たなら絶対に外せないオシャレな雰囲気のカフェおすすめ20選(45文字)」のタイトルをつけたとします。でも最大限まで表示されても35文字までですから、「【保存版】見逃し厳禁!京都観光に来たなら絶対に外せないオシャレな雰囲気…」と途中でタイトルが見切れてしまいます。これではおすすめカフェを探している検索ユーザーに対して、どんな情報がこのリンクをクリックすれば得られるか想像しがたいので、クリック率が低迷する要因となってしまいます。

またよくコーポレートサイトにおいて見られるのが、すべてのページタイトルに「(本来のページタイトル)|〇〇でお悩みの方は△△株式会社にご相談ください」と文末に定型文をつけているタイトルです。

タイトルの後半が見切れる形で検索結果画面に表示されているならいいのですが、文字数超過で自動で短縮されてしまって訴求力のないタイトルになっていることもあり、非常にもったいないです。すべてのページタイトルに同じ定型文をつける意味はあまりないでしょうし、こうした定型文は外したほうが無難に思えます。

・明確な「答え」があることを示すタイトル

SEOでは教科書的に繰り返されることですが、検索ユーザーは必ず「検索意図」を持っています。「大阪 天気」のキーワードで検索する人は「大阪の天気を知りたい」という意図、「(映画名) 感想」なら「その映画の感想を知りたい」といった意図です。

検索意図が読みづらかったり、複数の検索意図に分かれるクエリもありますが、自身の行動を振り返っても「ここをクリックすれば私の知りたい/やりたいことの答えがありそうだ」 と思ったタイトルをクリックするものです。もちろんコンテンツとタイトルがズレていることは論外ですが、「答え」や「解決」を意識したタイトル作りがよさそうです。

まとめ

コンテンツを作っていると本文を一生懸命作ってタイトルは事務的につけてしまう、ということがしばしばあります。しかしオーガニック検索ではタイトルがクリックされない限り、一生懸命作った本文を誰かに見てもらうことはできません。

一発目で最適なタイトルをつけるのは難しいことです。でも新規に記事を一本書いたり、新しくコンテンツを作ることに比べ、タイトルの最適化は10分程度でできることです。ぜひ狙ったキーワードで検索順位が上位にありながら、検索流入に物足りなさを感じた時はタイトルの最適化を試してみてください。