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ビジネス書を速読術を用いずに「早く」読む7つのコツ

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こんにちは、編集・広報部の伊藤です。

確か生まれて初めて読んだビジネス書は、中学1年生の時でした。近所の本屋のおじさんの制止も聞かずに買ったスティーブン・R・コヴィー氏著『7つの習慣』だったと記憶しています――案の定、なんのこっちゃわかりませんでした。

それはさておき近年「読むべき」とされるビジネス書が増えたような気がしませんか?いや気がするどころではないのでちょっと調べてみました。

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(データ出典:統計局『日本統計年鑑』)

およそこの30年で1年間に発行されるビジネス書のタイトル数は3倍ほど増えています。2013年で3,505タイトルなので「1日あたり9.6冊」のビジネス書が出版されていることになります。さらにここにWebメディア発のビジネスニュースを日常的に読まれる方も多いでしょうから、情報摂取量の実数は3倍増どころではないのかもしれません。

これだけ摂取量が増えたのなら情報の受け手(読者)側も効率的に消化吸収していかないと回らなくなってしまいますが、遅読な方・本を読むのが苦手な方にとっては嬉しい状況ではありませんね。

でもビジネス書・実用書は「勘どころ」さえ押さえれば、効率よくかつスピーディに読むことができます。そこでビジネス書を読むコツについて、私なりに考えたことをご紹介したいと思います。

ビジネス書をスピーディかつ効率よく読むコツ7選

【コツ1】著者は同じテンションで書いていない

たまたま手もとにあるビジネス書を見ると、「17×44文字」で1ページが組まれていました。となると1ページ748文字で、ビジネス書は大体250~350ページですから1冊あたりおよそ18万~26万文字で構成されていることになります。割と速筆な著者なら1日1万字くらいまで執筆を頑張れるんじゃないでしょうか。

しかしテンションを高くキープしつつ、この20万字を書き切ることは常人にはほぼ不可能です。逆にそういう書籍があったとしても、頭からお尻まで激しい戦闘シーンが延々と続く映画みたいなもので、緩急がない分読んでいるほうは退屈になってしまうかもしれません(ミリタリーマニアの方は除く)。

これと同様にビジネス書にもこうした緩急があります。つまり著者が言いたいところはテンションが高くなり、論旨からすれば枝葉末節にあたる箇所はテンションが低くなります。漫才をしている芸人さんがここぞという時に「声を張る」のと同じですね。それに合わせて読者である我々もメリハリの利かせた読み方をするのが効率的です。

そこで以下は、「メリハリ」を把握するコツです。

【コツ2】「序文」はしっかり読み込む

小学生のころ読書感想文と称して「あとがき」を写経し始めるクラスメートがしばしば観測されましたが、ビジネス書の「あとがき」は謝辞や出版後に変化した状況の補足説明などにあてられることが多いので、そんなに大事じゃありません。

それよりも重要なのは「序文」です。中には序文でその書籍に書かれていることのすべてを言い切っているようなビジネス書も結構あります。おそらくこれには理由があって、多くの方が本屋さんで書籍を手にとってまず目を通す箇所だからではないでしょうか。ここでうまくキャッチできないとレジまで本を持って行ってもらえませんよね。

同様に第1章の冒頭から20ページくらいも本屋さんで立ち読みされうる箇所です。ここでいきなり山場を作ってくるビジネス書はとても多いです。

ここで読むポイントは「なにが課題視されていて、著者はどう解決しようとしているのか?」をしっかりと把握することです。これはビジネス書の多くで、序文と第1章の前半部で示されています。

【コツ3】「しかし」が出てきたら要注意

これは私が予備校生のころ教わった受け売りですが、ビジネス書でもそのまま使えるのでご紹介します。

ビジネス書の構造を簡略化してしまうと、

「こんな問題があって困るんです」→「しかし私はこうすればいいと思う」→「なぜなら~だからだ」

になっています。あるいは、

「一般的にはこう言われている」→「でもそれは違うのだ」→「というのも~だからだ」

になります。

いずれにせよ、「逆接語(しかし、だが、でも、だけど、けれども)」の後に著者自身の主張がくるので、それまでの論をひっくり返すテンションの高い部分になります。読者である私たちもテンションを上げて読みましょう。

【コツ4】スピードアップできるポイント

今度は逆に、多少速度を上げて読んでも論旨を見失いにくい箇所です。速度を上げるというのは細部にはこだわらず、大意だけ掴みにいくようなイメージです。

・実例、自慢話

いわゆるケーススタディの箇所は、あくまで著者の主張を補強する部位なのでスピードアップしていきましょう。当たり前ですが著者は自分の主張にとって都合のいい例をもってくるので、それっぽい例が載っています――ここはそれだけでいいんじゃないでしょうか。

また「成功事例」という名の自慢話も同様です。書籍の前半は「概論」で、後半はすべて「自慢話」という構成のビジネス書もしばしば見かけます。こういう書籍は2時間もかけず読み切ることが可能です。

・反復箇所

反復箇所は、雑誌やwebメディアに連載していた記事を1冊にまとめたビジネス書に多く見られます。あとなんらかの事情で1冊にするほどボリュームが出ないテーマをちょっと強引に1冊にしちゃったようなビジネス書でも頻繁に反復する箇所が出てきます。

すでに理解しているのなら改めて丁寧に読み込む必要はないので、どんどんスピードアップしましょう。

・論証部分

論証部分をスピードアップすると言うと怒られてしまいそうですが、あくまでビジネス書の論旨を効率的に把握することに重点を置くのなら、上でいう「なぜなら~だからだ」の部分はスピードアップしても問題ありません。

学術的な研究でこれをするとアウトですが、どのみちビジネス書を読んで論拠となっているデータの正当性を検証することって、まずないんじゃないでしょうか?まして読後2週間も経つと、論証部分の細部までは覚えていないのが常です。「何を根拠に?」の部分は大意がつかめていればOKくらいの気持ちで、細部にはこだわず「なぜ」の理由だけ端的につかみましょう。

【コツ5】キリのいいところまで読む。読んだらやめる

これ以降は細かいコツです。

書籍は各「章」の中に各「節」が入る入れ子構造になっていますが、時間があるなら「章」単位で、通勤タイムなど読める時間が限られているなら「節」単位で、読み進めるのが効率的です。

節の途中で切ってしまうと、次に読み始めるときに「あれ?なんの話だっけ?」を確認しなければなりません。このロスは不要なロスなので、キリのいいところまで読むのがオススメです。逆に言うと、キリのいいところまで読んだ際、次章なり次節まで読めそうにないならそこで本を閉じてしまったほうがいいことになります。

また章や節単位で読んでいると、もし流れを見失っても「目次」に返れば、すぐに自分の立ち位置を確認することができます。

【コツ6】細部がわからなくてもとにかく読み進める

意味がわからない単語が出てきたからといって、いちいち辞書を引いていたらキリがありませんし、なにより調べている間に文意を見失いやすくなります。カタコトで外国人とお話しても会話は成立するくらいなので、わからない単語が1語2語程度なら読み進めるうちに文脈から「ポジティブな意味」なのか「ネガティブな意味」なのかくらいは類推できます。

どのみち1冊を1回読んだくらいでは、著者の言うことを100%理解することはできません。細かい文意を取りこぼしても大きな文意をしっかりと理解しているほうが生産的な読書体験になるでしょう。

【コツ7】できれば1週間以内。長くても2週間を読了するデッドラインに

私自身が最後まで読み切れずに脱落してしまったケースを思い返してみると、「途中まで読んだものの、つい別の本を買ってしまい、そちらを優先して読んでいるうちに熱が冷めた」というケースが一番多いです。

一度脱落してしまうと、また1から読み始める心理的負担は大きいものです。個人差もあると思いますが、1冊に対する熱は保ててせいぜい10日前後が限界と割り切ってしまっていいかもしれません。「10日で読み切るには?」とゴールから逆算すれば、自然と効率的に読むようになります。

なにより3日おきに1か月かけて読了した人と、少しずつでも10日連続で読了した人との理解度は雲泥の差になるんじゃないでしょうか。(もちろん後者の理解度が上です)

まとめ

書籍にもよりますが、ビジネス書は基本的にわかりやすく/伝わりやすく書かれています。それはある意味で、読者が効率よく消化吸収できるように「パターン」にのっとって書かれているということでもあります。マンガを斜め読みできるのもコマ割りに「パターン」があるからです。

そのパターンを意識するようにすれば、それまで8時間かけて読んでいたビジネス書が3、4時間程度で読めるようになりますよ。