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アクセス解析の基本は「細かくして比較」するだけ!Googleアナリティクス初心者のはじめの一歩

shimada

突然ですが「直帰率70%」って高いのでしょうか?それとも低いのでしょうか?
――これだけの問いにGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールが出してくれる答えは「ない」ですね。
上記にピンと来た方は以下を読む必要はありません。でもピンと来なかったという方は「アクセス解析って、結局なんなの?」という漠たる思いを抱えながら、日々悶々と過ごされているかもしれませんね。
Googleアナリティクスの機能や具体的な使い方については素晴らしい記事がWeb上にたくさん上がっていますのでそちらをご覧ください。本稿ではもっと根本的な「アクセス解析ってなに?」について、こんな理解の糸口もあるよ、ということを提示してみたいと思います。
結論から言うと、アクセス解析の基本中の基本は「細かくして比較すること」、それでもこれといった仮説立案が出てこない場合は、「もっと細かくして比較すること」、です。

数字はそれ単体だと「意味」を持てない

なぜ「細かくして比較すること」をアクセス解析の基本中の基本として考えるべきなんでしょうか? それは数字の特質と関係がありそうです。

例えば単に「10」という数字があった場合、これは多いのか、少ないのか? 実際なんとも言えませんね。でも「A君の功績を考えれば10,000枚の金貨に値するが、B君は10枚程度だ」と言われればこの「10」には負の意味が生まれます。それは「A君は10,000枚」という「比較」対象がいるから、ですね。

もう一例を挙げます。突然最強の空手家を名乗る男性が現れて「私は100人と戦い、これまで負けたことがないのだ」と自慢されたとしましょう。
しかしその100人の内訳をみると「空手未経験者率87%」だったら、この男の言うことを真に受けてはいけません。さらに「空手経験者13名」をさらに「細かく」年齢別に分類して「0~5歳未満100%」だった場合、この男の強さを裏付けるデータが何もないことがわかります。

ここまでで「細かくして(=セグメント分けして)比較すること」の有意義性はイメージできたかと思います。裏を返せば、絶対的な基準がない状況下では、「細かくして比較すること」でしか価値判断が難しいのです。

「事実」に基づいているのか?「想像」に基づいているか?

逆に「細分化と比較」に基づかないアクセス解析の悪い面についても触れておきましょう。文頭の「直帰率70%」の高い/低い問題に立ち返ります。

ここでは仮に「サイト滞在時間が1分未満で、コンテンツが読まれている気がしない」という問題があった時に、サイト全体の直帰率が70%で「(なんとなく)高いからだろう」という「細分化」も「比較」もない仮説立案を行ったとしましょう。この仮説から「直帰率を下げるためにコンテンツへの導線を見直して、ページ回遊を増やそう。訪問ユーザーがいろいろなコンテンツを見てくれるようになったら、滞在時間も増えるはずだ」という改善施策を考えたとします。

一見すると「それっぽい」感じがしますね。でもこういう「いかにも」なものこそ、足もとが危なかったりするものです。
この改善施策がうまくいくためにはその前提条件として、「直帰率が下がる→セッションごとのビュー数が上がる→サイト滞在時間が増える」というロジックが成立しなければなりません。しかし「直帰率が下がれば、サイト滞在時間は増える」というロジックは正しいのでしょうか? 試しに50サイトの滞在時間(1セッションあたりの滞在時間)と直帰率の相関係数を調べてみました。

 

結果は「-0.33」*でした。言ってみれば「直帰率が下がれば、サイト滞在時間は増えることがある、かもね……」レベルの関係性でした。

※相関係数は「1」で生の相関関係(=xが上がればyも上がる)、「0」で相関関係なし、「-1」で逆相関関係(=xが上がればyは下がる)となります。

この前提が崩れると、サイトの直帰率を改善施策の指標にしても改善効果があるのかないのかよくわかりません。もちろんここで言いたいことは「サイト滞在時間や直帰率なんて見ても意味がない」ということではなく、客観的な事実に基づかない前提や解析は簡単に外してしまう可能性があるということです。

「細分化と比較」に基づくアクセス解析

では上記の場合だと、どうアプローチするのが客観的な事実に基づいた解析と言えるのでしょうか?
まず考えられるのは、Googleアナリティクスの場合カスタムセグメントを使って「滞在時間が1分未満」のユーザーを細分化(セグメント化)して「滞在時間が2分以上」のユーザーと比較してみるのがよさそうです。

その結果、「滞在時間が1分未満」のユーザーの多くが「モバイルユーザー」であることがわかるかもしれません。そうなれば「モバイルページ」のユーザビリティに何らかの問題がある可能性が浮上しますし、その原因を特定するためにさらに「モバイルユーザー」を異なるセグメントで分類して比較していきます。

もっと実際的な例なら、「ここ3カ月アクセスが減少している」という問題があります。比較すればよさそうなのは「直近3ヵ月」とさらにその「3ヵ月前」の期間です。その2つの期間を「流入チャネル」に着目しながら比較してみます。すると「オーガニック流入」の減少が激しいことがわかるかもしれません。そうなればそれまで「オーガニック流入」を稼いでいた主要なページに細分化して比較することでどのページに原因があるのか特定できるようになります。

最後に冒頭の問いに返りましょう。「直帰率70%」は高いのでしょうか?それとも低いのでしょうか? 答えは「比較対象がない限り、高い/低いの判断はできない」になりますね!